小代焼ふもと窯 一門展 /張りのある器
ふもと窯でピッチャーを作る実演を見せていただいたとき、
尚之さんは、ぎゅーんと轆轤を廻しながら「張りを意識しています」と真面目に言った。
曲線でも丸みでもなく「張り」。
僕はこの身体的で民藝的な言葉に惹かれると同時に、
ふもと窯の器は、作り手自身の心や身体、まさに分身なのだと感じた。
このスピリットを受け継ぐ「一門展」の器で、心と暮らしに「張り」を届けます。
陶工を志して四半世紀が過ぎました。
受け入れてくださった、小代焼ふもと窯 井上泰秋先生の当時の歳に私も近づくにつれ、
作陶、育成全てにおいて改めて偉大さを感じています。
恩返しと言うには烏滸がましいのですが、感謝を表したいと思い、この度の巡回展を企画いたしました。
発起人代表 齊藤十郎
尚之さんのところで「張り」という言葉を聞いたとき、漢字がパッと思い浮かばなくて。
はり?はり?ああ、「張り」なるほど!という感じで。
思えば、言葉にすることの大切さに気づき、民藝を志した方の言葉に興味を持つきっかけであったと思います。
尚之さんのところへ行ってなかったら、文章を書くような仕事はしてなかったかもしれない。
とはいえ、僕の本業は店で、肩書きがあるとするなら「配り手」です。
器は好きだから、もっと器を売りたいと考えているし、それらを使った生活の姿を伝えたいと思っています。
700点を超えるボリュームで、皆様のお越しをお待ちしております。
どうぞよろしくお願い致します。
✳︎ 12月18日(土)齊藤十郎さん在店
✳︎ 12月18日(土)19日(日)喫茶は休業致します。
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