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報告書

徳島県藍染研究会では、藍の勉強会「繋ぐを考える」を開催しています。

この事業の実施につきまして、徳島県から「とくしま文化・未来創造支援費補助金」として150.000円の助成金をいただいております。今回も年度末ギリギリのタイミングで報告書を提出しました。(補助金いただいておいて文句つらつらと並べるのはどうかとも思う笑)

 

毎年そうなんですけど、これを書くのは自分を削るので、、何もできなくなります。ご存知の方も多いかとは思うのですが、大きな問題が起こっていて、控えめに考えても「ちょっと徳島県さん酷くないですか?」と感じる状況が続いているので今年は特に疲れました。新聞を賑わせてる職員は以前から評判が悪かったから、そんなには驚かなかったけど、どうして一部の人が好き勝手に予算を使えるのか??謎です。知事が変わって良くなると期待していたけれど、今のところ変わらない。不起訴でも組織内で何らかの処分はするのだろうけど、こんなの民間では即解雇のはず。どの職員さんに説明を求めても何も返ってはきませんし、組織としてそのように対応のルールが決まっているような気がします。まあ僕に突っ込まれてオタオタする優しく気のいい人は、県庁では出世できないような気がします。ただこの感じだと新年度から組織改編されても期待はできないなと・・・鳴門わかめの偽装と県庁組織の看板の掛け替えは徳島の伝統芸能みたいなもんで、県庁の場合は不祥事がある度に看板が変わるから、もう部署名が覚えられない・・・とまあ、新年度にはこれまでのことを自分の中で決着つけたいと思っています。

 

 



勉強会の報告誌ができあがりました。嬉しいです。

これまでは動画を残すことを考えてきたのですが、今回から紙媒体で残すことにもチャレンジしてみました。

こういった経験も徳島の藍文化を伝える為にきっと必要で、また先々で生かされるはずだと考えています。

 

以下、提出の報告書ほぼ原文まま掲載します。

 

 

 

 

 

藍の勉強会「繋ぐを考える」は、今回で4度目の開催となった。藍染研究会会員、地域おこし協力隊、編集者、県職員、大学職員など20名余りの参加者と関係者でこの機会を共有した。また支援金の申請時には報告誌のみを作る計画であったが、当日参加できない方の為に資料として編集は最低限にとどめた映像を残すこととした。

 

講師に大阪日本民芸館学芸員の小野絢子さんを迎え、丹波布(兵庫県)と芭蕉布(沖縄県)の事例から民藝運動が産地に与えた影響などについてお話しいただいた。講演内容については、成果物である「報告誌・繋ぐを考える」をご参照いただきたい。産地や作り手を支援する立場のあることは、藍染研究会も行政も同じであり、わたしたちが柳宗悦や民藝運動が果たした役割について学ぶことは、阿波藍にとって有益であり今後も機会を作りたい。

 

平成10年に四国大学名誉教授の野田良子氏が、大阪日本民藝館で藍建てについての講演をした経緯があり、近年では希薄になりつつあった「関係の繋ぎ直し」という意味合いを含め小野絢子氏に講演を依頼した。わたしたちの仕事は常に先達の残した足跡に助けられていることを実感すると同時に事業関係者では「これからも先達への敬意をもち藍に関わる」ことを確認した。

 

徳島県藍染研究会は事務局が四国大学にあり「産官学」が密接に連携できることに強みがある。四国大学の地域連携プロジェクトや、美馬市や上板町の地域おこし協力隊の制度と藍を通じて密接であり、直接経済に結びつくような規模ではないものの、小さな事業が重なることで徳島で藍に関わるプレイヤーを育てる一助となっている。単年の事業成果としての実績は計りにくいが、この勉強会を続けることで新たな人材を発掘し育てることにも繋がるだろう。徳島県の積極的な後押しや、地域に愛情のある県職員の担当課への登用があればさらなる相乗効果が得られるはずだ。

 

今回は初めて「報告誌・繋ぐを考える」の発刊にもチャレンジした。予算が限られており、勉強会の全容をお伝えすることは難しいが、文字に起こすことはアウトプットの機会でもあり、事業内容の発信だけでなく主催者や参加者にとって有意義な学びの機会となっている。阿波藍とはあくまでも染料であり、一般顧客が手に取ることのできる最終製品を生み出すには他地域の協業が欠かせない。県外から講師を招き学びの機会を作ることは、同時に関係性を作ることであり、その言葉を整理して残しておくことは、阿波藍の価値に直結し、これから藍に関わろうとする人や未来の事業者にとっての糧となるだろう。

 

 

文化・未来創造課の「プロポーザルの実施方法」ついての疑念は晴れないまま、観光推進課の不正支払いや藍関連の予算でラブドールが購入されていたという事実が明るみになってきた。「徳島県ラブドール」で検索をかけると、夥しい記事があり痛々しい写真がネット上に晒されている。一部の県職員や藍産業振興協会に法令上問題があることは、以前から私たちが指摘しており十分ご理解いただいてるはず。今後さらなる調査と処分が進み、県から正式な声明が発表されるまで、とくしま文化・未来創造支援金の申請は見合わせることとした。藍の事業者がどのような気持ちでこの事件を受け止めているか、今一度お考えいただき、今後の事業や再発防止についてのお話し合いの場を設けていただきたい。他の県事業への意見は本来ここに書くべきではないが、納税している県民のひとりとして、徳島の藍に関わる者の責任としてお伝えしておりますので、県庁内で広く共有いただくことを希望している。このような状況において、私の気持ちが続かず次年度の支援金の申請ができなかったことを反省点として挙げておきたい。

 

 

文化・未来創造課は藍について一切の関わりを辞めてしまった。これまで藍関連の事業に多額の予算を注ぎ込んだにも関わらず、課内及び県庁内において知識やノウハウの蓄積はなく藍に対する愛情すら育ってはいない。藍に関わるのは難しいと判断しているのであればある意味正しいが、次世代に阿波藍を伝える努力を続けることは私たちの世代の責任ではないだろうか。

 

県民文化祭で「吉本新喜劇」は恥ずかしい。藍ではなくても良いが、何故徳島の文化に予算をつけないのか疑問があるため担当職員に説明を求めたい。同課の予算が浄瑠璃に偏ることも否定はしないが、関係者が公然とMLBの試合観戦する姿勢については議論の余地がある。SNSから拡散されているのは大きな予算が流れ込むことで生まれる「関係者の気の緩み」に他ならない。価値のわかる野球ファンは自分の時間と費用をかけて海を渡り観戦しているのだから誤解を招く行動は慎むべきで、渡航本来の目的を忘れない為にもその小さな綻びを見逃すべきではない。

 

また一方でピントの外れた必要ない事業を企画し、予算消化している観光政策課の姿勢には全く共感することができない。例えば「藍産業経営基盤V字回復雇用促進事業」でイベント会社にお金を落としても藍関係者は絶対にV字回復などしない。企画者の良識を疑う。地域や文化を真面目に考える者は「もう県の仕事はしたくない」と感じるが、それでも利益を得たいだけの者は「ただやればいい」と地域を迷いなく売り飛ばす。そして職員が両者の調整役を担わない事業は事業者同士での分断を進めてしまう。先ずは立案から事業終了とその効果までを「真面目に検証するサイクル」を確立するべきだ。依頼を断りにくい立場にある藍関係者や地元事業者は、利益を得たいだけの事業者の下請けとなり事業の片棒を担ぐ事になる。このような事業の構造上、何か問題があっても責任を取るのは下請けの事業者や個人であるため、批判に晒されるような間違った業務にならないよう常に相談に乗り調整してほしい。これから徳島の地で独立を控える人材が孤立しないためにも、その職務内容の実態について聞き取りフォローするのは県職員の大切な業務だ。こういった努力を続け、経験値を積むことで徳島を伝えるためのディレクターを民間に育てることが重要である。県庁職員はあくまでも調整役に徹するべきで、ディレクターのような立場になるべきではない。痛みを感じない職員が関わり続ければ新ホールでも同じような問題が起こるだろう。

  

我々と県の間には多くの問題がある。解決について訴えても、約束を守らないばかりか保身を最優先する職員ばかりと対峙する。県はなぜこのようなことが起こったのか検証し、今後このようなことが起こらないような再発防止策についても発信するべきで、何よりも先ずは関係者に対する正式な謝罪を求めたい。

 

不正支払いに関わった職員、プロポーザルの不正な過程を公開しない職員、それらを隠蔽してきた役職職員の責任を問い厳しく処分することだ。組織としてごく当たり前の姿勢を示さない限りはまた同じような問題が起こるだろう。

全く機能しない監査局が解散するのは当然だが、不祥事がある度に繰り返される看板の掛け替えだけでは、県と我々にある問題を解決することはできない。藍染研究会総会においては不正支払いが発覚した直後にも関わらず悪気なく古庄氏にニヤニヤと話しかける職員に対し、私は「あなた方はネジが外れている」「やっていることは公務員による自慰行為だ」と糾弾した。その後に明らかになったが、事実として藍関連の予算で購入しているのはラブドールだった。隠蔽体質で自浄能力のない県庁組織、保身ばかりの職員は恥を知るべき。

 

また最近では電通の下請けに短納期で悪びれもせず藍や藍染の写真や映像を要求し、四国大学に化学染料で染めた浴衣を持ち込み女優に着せようとする。自らは何も学ばず、汗を流し信用を得る努力もせず、下請けを使い上辺の体裁だけ整えるような行為は手仕事や伝統文化の世界とは馴染まず、反省の色は感じられない。このような思考停止した職員ばかりが育ってしまうのは、事業の成果について検証せず、地域について学ばず、多くの問題を組織内で共有してこなかった結果だ。

 

 

目的と手段の倒錯はあらゆる仕事で起こりうる。そのバランスを失わない唯一の方法は、わたしたち一人一人が、自分の仕事の目的が何だったのかを日々自問することにある。

 

 

組織改編に伴い徳島県、県庁職員の方ににあらためてお願いしたいことは藍に関する事業の計画があるとするならば、予算という税金は県職員が県職員の都合で県職員の為に消化するのではなく、私たち事業者が藍を次の世代へと引き継ごうとする姿勢にこそ投入してほしい。

 

これは何度も申し上げていることだが「県庁職員だけで事業を企画立案しないこと」を今年も重ねてお願いしたい。4年前から未来創生文化部部長を含めた話し合いを要請しているが実現しておらず、対話を拒む理由についても変わらず説明はない。これまでの事業の問題点やプロポーザルの方法、今後の藍に関わる事業についての対話の場を引き続き求める。いま私たちの世代が取り組むべき仕事は、咲いた花を刈り取り並べることではなく、廃れた徳島を耕し次の種を撒き育てることだ。

 


 

 

 

追記すると、新年度は「とくしま文化・未来創造支援費補助金」の申請を見合わせたのですが、不正支払い等の問題で県の調査が進み処分が明らかになるまで様子を見守りたいと・・・このような状況で僕の気持ちが続かなかったというのも正直なところです。この時期は確定申告もあり手が回らないし、こういった作業がないだけも自分のお店と向き合える時間は作れるので。良い悪いを別にして、僕の対峙する県職員の方は皆が「仕事と自分がずいぶんと離れている」ように感じます。組織に身を置けば、仕事の正しさと人間的な正しさは合致しにくいものですね。

 

報告誌「繋ぐを考える」は、徳島県藍染研究会の方を中心に配布されますが、少しだけ部数に余裕がありますので、お求めの方は店頭にてお声掛け下さい。よろしくお願いします。

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