いとうせいこうさんの「想像ラジオ」を再読しました。
震災後に読んだ本の中でも印象に残っている一冊です。
"いつからかこの国は死者を抱きしめていることが出来なくなった。それは何故か?"
めぐる、の連載 Made in Local. の取材で、徳島県南部の町「由岐」へ何度か足を運んだことで、
もう一度、読んでおきたいなと感じて。
お話を伺うことができた、筋野さん夫婦は10年前の3月11日も漁に出ていたそうです。
県南では "ナガレコ" と呼ばれるトコブシ(貝)を取るために海に入るのだけど、
奥様が「今日は潮の流れがおかしい」と感じ、漁をやめてすぐに海からあがったそうです。
その後、港内は底が見えるほど引き、真っ黒な水が何度か川を遡った。
由岐公民館の酒井さんは、近所の高齢者に付き添い避難をはじめるが、「今、津波がきたら死ぬな」だが「自分ひとりで逃げることはできない」と。海を振り返った時に覚悟を決めたと話してくれた。
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